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映画『アイネクライネナハトムジーク』絆の考察と感想

映画『アイネクライネナハトムジーク』絆の考察と感想 映画・ドラマ・テレビ
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夜中に何気なく観た映画『アイネクライネナハトムジーク』。

劇的じゃないけれど、胸にしみいるとてもいい作品でした。

小説・歌・映画・人と結ばれています。
生まれた絆の背景から、映画『アイネクライネナハトムジーク』を紐解いていきます。

伊坂幸太郎と斉藤和義

作家・伊坂幸太郎とミュージシャン・斉藤和義の関係とは。

伊坂幸太郎は斉藤和義のファン

かねてから伊坂幸太郎さんは、斉藤和義さんのファンだと公言しています。

2000年に伊坂幸太郎さんは小説家になりました。

オーデュボンの祈り』が新人賞を受賞し、作家デビューをしたものの、当時システムエンジニアをしながら執筆していました。

執筆活動に悩んでいるときに、会社へ向かう途中、ウォークマンで斉藤和義の曲『幸福な朝食 退屈な夕食』を聴き、「会社をやめよう、小説家だけでやっていこう」
と決めたのです。

伊坂幸太郎さんが小説家として一本立ちする決意を抱かせたのが、斉藤和義さんの曲だったのですね。

斉藤和義から歌詞の依頼

斉藤和義さんは伊坂幸太郎さんに、“恋愛”をテーマに「出会い」にあたる楽曲の作詞を依頼します。
企画中のラブソングアルバム『紅盤』(2007年3月リリース)のためです。
伊坂さんが斉藤和義の大ファンと公言していた情報をキャッチして、関係がつながりました。

そのおかげで、伊坂幸太郎さんは憧れだった斉藤和義さんに会うことができました!

伊坂幸太郎が短編小説を書く

伊坂幸太郎さんは作詞を頼まれたものの、「作詞はできないので小説を書くことならば」と短編を書くことに。

それが短篇『アイネクライネ』でした。

斉藤和義が楽曲をつくる

短編『アイネクライネ』を原案にして、斉藤和義さんは曲を作ります。
小説を歌詞に移し替えたというわけです。

それが『ベリーベリーストロング~アイネクライネ~』でした。

伊坂幸太郎が連作小説を完成させる

伊坂幸太郎さんが『アイネクライネ』の続編となる『ライトヘビー』を執筆します。

斉藤和義さんのアルバム『紅盤』に収録された曲は、2007年6月にリカットシングル『君は僕のなにを好きになったんだろう/ベリーベリーストロング~アイネクライネ~』として発売されました。
CDには特別付録として、伊坂幸太郎さんの短編『アイネクライネ』とその続編『ライトヘビー』が封入されることに。
『ライトヘビー』には、ところどころ斉藤和義さんの過去の曲から歌詞が引用されています。

それ以降、伊坂幸太郎さんは6章まで短編を書き、連作小説を完成させます。

『アイネクライネ』に始まり『ナハトムジーク』で終わる、6章からなる小説『アイネクライネナハトムジーク』です。

伊坂幸太郎作品では珍しく、「恋」を描いた小説でした。

『アイネクライネナハトムジーク』映画化

6章の短編からなる伊坂幸太郎さんの小説『アイネクライネナハトムジーク』が映画化されます。
公開されたのは2019年9月です。

主題歌には斉藤和義さんが映画用に書き下ろした楽曲、『小さな夜』が採用されました。

『小さな夜』は、『ベリーベリーストロング ~アイネクライネ~』から10年後の2人をイメージして書かれました。

『アイネクライネナハトムジーク』と仙台

映画『アイネクライネナハトムジーク』はオール仙台ロケで行われました。

伊坂幸太郎と仙台

伊坂幸太郎さんは千葉県松戸市出身ですが、東北大学法学部を卒業し、宮城県仙台市在住です。

仙台を舞台にした作品が多いです。
『アイネクライネナハトムジーク』も仙台が舞台。

映画化された作品

は小説の舞台と同じくオール仙台・宮城ロケで撮影されています。

監督・役者さんたちと仙台

映画『アイネクライネナハトムジーク』の今泉監督は、同じ東北の福島県郡山出身です。
お姉さんが結婚して仙台に住んでいるそう。

ウィンストン小野のセコンド役を演じたお笑い芸人・サンドウィッチマンの2人は仙台出身です。
サンドウィッチマンは東日本大震災の復興支援を続けています。
2011年震災直後に「東北魂義援金」を開設し、総額約5億円にもなりました。

主人公・佐藤の親友・一真の美人妻役を演じた、森絵梨佳さんも仙台出身です。
“いまなりたい顔No.1”として各誌で特集が組まれる森絵梨佳さんはさすがお美しく、お母さん役も自然で素敵でした。

『アイネクライネナハトムジーク』と斉藤さん

映画『アイネクライネナハトムジーク』の主題歌『小さな夜』と劇中音楽を斉藤和義さんが手がけていますが、小説と映画の中で登場する〈斉藤さん〉は違う描かれ方です。

小説の中での斉藤さん

小説の中で〈斉藤さん〉は1回100円で、その人の心情に合わせた曲の一部をパソコンで再生してくれる露店商です。
斉藤和義さんの楽曲の歌詞が使われています。

映画の中での斉藤さん

映画の中で〈斉藤さん〉は、仙台駅前、登場人物たちが行き交うペデストリアンデッキで歌うストリートミュージシャンです。

〈斉藤さん〉は物語の鍵を握る歌を、10年にわたって歌い続けています。

斉藤和義本人ではなく、どこか似たような雰囲気の、こだまたいちさんが演じています。

こだまたいちさんは愛知出身で、ロックバンド「THE TOKYO」のギタリスト、フォークシンガー。
2018年まで『メンズノンノ』専属モデルとして活躍していました。

MVの中での斉藤さん

映画『アイネクライネナハトムジーク』の主題歌として書き下ろされた斉藤和義さんの楽曲「小さな夜」。
MVは、映画と同じく全編が宮城県仙台市で撮影されました。

MV中の〈斉藤さん〉は斉藤和義さんです。

しみじみとするいい曲です。

三浦春馬と多部未華子

映画『アイネクライネナハトムジーク』でカップルを演じるのは、以前にも恋人役をしていた三浦春馬さんと多部未華子さんです。

2010年公開の映画『君に届け』。

2014年に放送されたドラマ『僕のいた時間』。

『アイネクライネナハトムジーク』では3度目となるカップル役です。

三浦春馬さんと多部未華子さんは、“4年に1度の恋人”と称されることも。
本人たちも「オリンピックみたいだね」って話していたそうです。

二人とも自然体で素晴らしい演技でした。

2020年7月18日に30歳で死去した俳優の三浦春馬さんに対し、多部未華子さんはコメントを出していません。
コメントを出す出さないは多部未華子さんの自由です。
そっと見送りたかったのかもしれません。

まとめ

アイネ(ある)クライネ(小さな)ナハト(夜の)ムジーク(曲)。

三浦春馬さんの死去はショックが大きく、私もようやく1年経ち、三浦さんの作品を観ることができるようになりました。

スクリーンの中、三浦さんの笑顔は素敵で、映画『アイネクライネナハトムジーク』ではあんなイケメンなのに冴えないサラリーマン役がはまっていてびっくり。

私個人は斉藤和義さんの『ベリーベリーストロング~アイネクライネ~』を、昔よく聞いていたので、「曲から小説や映画が生まれたのかな〜」と勝手に思っていましたが、今回、経緯を知ることができおもしろかったです。

観ても、読んでも、聴いても、
どんな順番でもいいですね。

素敵な絆の作品をありがとうございました。

またいつか仙台に遊びにいくぞ!

いくえみ 綾さんのコミックもある…

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