全然知らない中学受験について知ろうと思い、読んだ漫画。すごくよかったです。
『二月の勝者』13巻のあらすじとネタバレを書いていきます。受験情報つきです♪
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十二月の慢心
慢心(まんしん)とは・・・おごりたかぶること。また、その心。
12月初旬、フェニックスにて
5ヶ月前、初夏の生徒面談時、フェニックスの上杉 陸斗は、第一志望を御三家の「麻布」と灰谷先生に伝えた。
文化祭でビビッときたそうだ。
5ヶ月後、現在12月初旬、2月の本番まで残り二ヶ月残して、陸斗は合格最低点を2回連続クリア!
すっかりなめきり、得意顔で灰谷先生に報告するも、
「ゆるんでるよ。顔の筋肉。
とてもこの時期の受験生とは思えない!」
とニコッとしながら皮肉を言われ、問題集を渡された。
灰谷はわざと陸斗のプライドを折るために、自信なくすような声がけをし、準御三家の中でも特に難しい問題を選んだのだ。
早いうちに合格判定80%を取り、本番で実力を出しきれず不合格になった子が毎年、少なからずいる。
「中学受験は何が起こるかわからない。
『子どもは子どもだ』ということを忘れてはならない。」
と、灰谷はフェニックスの同僚講師に話す。
灰谷のドSさは、12歳の春を悔いで終わらせないために、何をしてでも導きたいとの熱い思いからだった。
12月初旬、桜花ゼミナールにて
最後の帝都圏模試の申し込み〆切なのに、大内 礼央(Rクラス)は申し込みをしていない。
数日前から毎日、お母さんに電話をしても出ないのだ。
礼央の親が、わざと別のIDを取り直して申し込みをし、桜花ゼミナール側に成績を知られないようにしたのでは
と黒木は勘ぐる。
佐倉先生はなんのためにか、さっぱりわからない。
5日後、12月最後の帝都圏模試が始まる。
十二月の準備
12月第一週、帝都圏模試。
12月第二週、渋谷大崎模試。
その翌週、12月中旬に桜花ゼミナール6年生の出願直前・保護者会が行われた。
最後の模試が終わり、結果も出て、全体の保護者会も最後!
黒木先生が70分、ぶっ通しで話す。
個人別対策レポート
出典:『二月の勝者』13巻
配布資料の中には、「個人別対策レポート」の封筒がある。
- 第三志望までの学校の、出題傾向レポート
- 子どもの5年生秋から最後の模試までの、各分野の正答率から分析した得意・苦手分野
この2つの資料を照らし合わせると、残り少ない日数で何を優先して学習すべきかわかる。
塾は勉強を教えるだけじゃなく、情報や戦略をお金で買うところだとあらためて感じる保護者たち。
出願準備の注意点
「受験する可能性のある学校の募集要項や願書は、全て入手済みでしょうか?」
と、黒木はみんなに尋ねる。
心の平穏のためにも“お守り”は必要で、募集要項もしっかり目を通す必要がある。
「受けないかもしれないから」「本命で忙しいから」というのはナシ!
黒木によると、“お守り”校のWEB出願を、直前の合格発表を待ってからと思ってたら、合格発表が遅れてタイムオーバーし、出願できなかった例があった。
〆切30分前には、必ず出願を済ませておく!
他にも黒木先生は、どんどん注意点を話す。
直前期の過ごし方
決起集会的なものは1月30日に行い、参加は自由。
〜「学校を休ませる?」問題〜
黒木個人の考えは、学校はなるべく休ませない!
理由は、一日中家にいるとケンカが勃発してメンタルによくないのと、そもそもベースが乱れるから。
普段通りが一番!
直前期の学習について
出典:『二月の勝者』13巻
本番直前では、自信をなくすような難問はくれぐれも避ける。
十二月の熱狂
受験当日から受験終了までの過ごし方について。
受験当日以降の過ごし方
当日の朝
トラブル時、親が焦る可能性がある。
どんなに不安でも親はどっしり構えるために、時間にも心にも、余裕を持つこと!
黒木によると、当日、会場に受験票を忘れた子がいた。
親は慌てふためいて取りに戻ろうとしたが、本人は冷静に受付に行き、受験票を再発行して事なきを得た。
会場に着いたら
会場に着いたら、いよいよ試験が始まる。
試験が終わり、早いところでは夕方から合格発表。
出典:『二月の勝者』13巻
出願後、受験番号がわかり次第「受験番号カード」を塾に提出しておく。
意外と保護者すら合格を見落とすことがあるので、塾の本部がチェックする。
(というのは建前で、塾側が合格実績を確実に把握するため)
試験が終わったら
「合格でも、不合格でも、必ず!ここ、桜花吉祥寺にご連絡ください!」
「次の日にまだ闘いがあるのなら、ぜひ!ここに来てください!」
と保護者たちにお願いする黒木。
不本意な結果だとしても、生徒本人への声かけができる。
また、結果が出る前だとしても、まだ次の闘いがあるのなら、塾に来ることで闘いへの力をギリギリまでつけさせることができる。
2月1日から最後の試験が終わるまで、学力は、受験が終わるまで伸びる。
ただ、試験が終わったらすぐ来てほしいと言ったものの、
「志望校合格」の嬉しい報告をしにくる子は、2月5日までは来てほしくない
と黒木は言う。
塾講師たちは、全員の合格を見るまで「おめでとう」は言えない。
まだ歯を食いしばり闘っている子たちに、全力を注ぎたいからだ。
黒木の最後の願いと宿題
黒木の最後の願い
これが最後で、最大のお願いです、と切り出す黒木。
「ケンカだけはしないでください」
というものだった。
つい口を出してしまいそうになるが、親の声のかけ方ひとつで、子どもは簡単に潰れてしまう。
親は情報の取りこぼしがないか、隅々まで、滞りなく、漏れなく抜けなく、ぬかりなく!
勉強のことは、本人に任せる。
最後の模試の成績を見て、良くも悪くも「志望校を変えたほうが?」などと惑わされないでください。
「12月の模試には『魔物』が棲んでいます!」
黒木は言う。
魔物の正体は「非・日常」。
最後の模試はいつもより多くの生徒が受けるため、1点違うだけで偏差値が大きく変わる。
黒木の宿題
皆様に、入試当日までの「宿題」を出します、と切り出す黒木。
「いざ、会場に送り出すその時の『一言』を、考えておいてください」
というものだった。
どんなことを言えばいいのか、まだわからないと思うが、親なら自分の子どもの努力に、ふさわしい声がけができるはず。
子どもたちは、夏からほぼほぼ連休を取っていない。
「残りの50日は!人生で5本の指に入るくらい熱い50日です!」
と黒木は断言した。
「残りの50日、全力で駆け抜けましょう! 絶対に!『やってよかった』と思う『いい入試』を!!」
十二月の決意
黒木先生の迫力ある保護者会で、佐倉先生も奮い立った。
早速、Rクラスの子たちについて黒木に相談。
Rクラスの子たち
一番下・Rクラスの子たち。
山本 佳苗は、第一志望「鈴蘭女子」で合格判定80%を出している。
「今までコツコツやってきたからこその偏差値3ポイントアップだよ。
このまま最後までコツコツやり続けようね」
との佐倉の声がけは、黒木にオッケーをもらった。
伊東 章太郎も、同じように第一志望「東英大白金」(80%)。
もうワンランク上の志望校に変更もアリか、悩む両親に、
「章太郎さん自身が東英大志望で、今から別の学校の対策を始めるのはかなりのリスク。
志望校は変更なしが最適解」
と伝えるよう黒木に指示される。
浅井 紫は、第一志望「湧泉女子」で、合格判定20%だった。
「カトレア女子」(80%)を2月1日受けて、受かったら2日に「湧泉女子」を受けたら?
というお母さんの勧めを、紫はあっさり承諾。
本人は、別に「湧泉女子」に執着していなかった。
武田 勇人は、偏差値1.5アップしたものの、「日照大第二」と「明知学院中」は20%で撤退。
「武蔵境大付属」(70%)と「東英大白金」(70%)で迷っていた。
黒木は、どちらも複数回受験加点優遇がないため、一校に絞る必要はない。午前・午後受験をフルに使って併願する方向を提案。
今川 理衣沙・大内 礼央のところは、まだ話ができていない。
Aクラスの子たち
真ん中・Aクラスの子たちは現実路線にほぼ収まりそうだが、併願校の組み方で一波乱ありそうな感じ。
伊達 智弘は、グラウンドの広さで第一志望を決めかねている様子。
田中 利久は、2月1日「柴又中」(60%)と「有栖川学園」(40%)で悩んでいる。
利久は「柴又中」でもういいじゃんと言う。
大友 真千音は、本人が共学行きたさにターボかけて、偏差値2ポイントアップ。
原 秀道は、偏差値1ポイントダウンで、お母さんから
「『明知大明知』から『明知大中野』に変えたけどそれでいいの?」
と聞かれても、
「ママがいいならいいよー。」
と軽く答えた。
三浦 佑星は、第一志望「園学院」(80%)で安定だが、併願が都立中高一貫校の「三方」だった。
理由を聞きたいので、黒木は直接面談すると言う。
都立受検の特殊性からである。
加藤 匠は、偏差値が2ポイント下がって、両親は逆にスッキリした様子。
塾おすすめの「海上中」(40%)ではなく、「東央中」(80%)を第一志望に。
Ωクラスの子たち
トップ・Ωクラスの子たち。
黒田 翼は、「武蔵」(30%)でもGO!
憧れの学校で、受けないと諦めがつかないし、併願は偏差15下まで考えた。
毛利 光は、OK大付属系・3校とも全て60%。
光は他の塾や、家庭教師も掛け持ちしている。
お母さんはいまだにOK3校受験にこだわっているが、
全方位からストップ入ると思うので、さすがにそろそろ諦める頃だ
と黒木は予測。
馬場 亜蘭は、帰国子女入試がもう始まって「修学院中」、「立聖豊島中」とすでに二校合格。
本命は、あくまで「新宿学園新宿」。
直江 樹里は、「女子学院」(40%)だが、偏差値プラス1で65になりGO!
柴田 まるみは、「女子学院」(30%)だが、ついに偏差値60になりGO!
6年生になってから、たった9ヶ月で偏差値10も上がった。
前田 花恋は、「桜蔭」(50%)で偏差値0.4アップの68。
島津 順は、「開成」(50%)で偏差値3アップの68。
睡眠と休息により復調できた。
上杉 海斗は、ついに偏差値60になったものの、「開成」(30%)でお母さんとの約束を守り、諦めることに。
しかし、お母さんは海斗を信じて応援し、「開成」に出願することに決めた。
十二月の披瀝
披瀝(ひれき)とは・・・心中の考えを、包むことなく打ち明けること。
佐倉先生と桂先生は、1月の「前受け」受験校を決めた生徒のアンケート整理をしている。
翌日、12月22日。
桜花ゼミナールのお弁当タイムに、サンタコスプレの佐倉先生が現れる。
生徒たちに、少し早いクリスマスプレゼントを配る。
合格鉛筆など、受験グッズだった。
「皆さんの今年のクリスマスは、これをもって終了です!」
と黒木は言う。
2月までクリスマス・正月はお預けである。
塾講師たちも、クリスマス・正月ナシ。
貴重な休み前、桂先生とファミレスで夜ご飯を食べていると、佐倉の携帯にメッセージが入る。
「明日、仲間でクリパするので来ませんか?」
というティアラからのお誘いだった。
翌日、佐倉がクリスマスパーティーの準備を手伝うため早めに会場に行くと、吉祥寺公会堂の会議室だった。
出典:『二月の勝者』13巻
ティアラがまだ「授業中」と言う中に入ると教室のようで、以前会ったことがあるショーマもいた。
ティアラは、
「黒木先生が呼んでいいって言ったから大丈夫。
“スターフィッシュ”のことを説明してあげて」
とショーマに伝えた。
黒木は、フェニックスにいる頃に、古い友人と“スターフィッシュ”を立ち上げた。
友人の知り合いがシングルマザーで、中学生の子が学業ついていけなくなってしまったが、金銭的に塾に通わせられず、無料でできる範囲で勉強を見たのがきっかけ。
塾に行けない中学生に噂が広まり、黒木の自宅で教えていたが、限りがあるので、公共の会議室を借り、ボランティア講師が力を合わせて回していた。
十二月の白日
白日(はくじつ)とは・・・くもりのない太陽。ひるなか。潔白なことのたとえ。
“スターフィッシュ”は、一般的に「無料塾」と呼ばれるもの。
無料塾とは・・・経済的に苦しい家庭や、ひとり親家庭のために、無料子どもに学習支援を行っている塾。
内閣府の調査によると、およそ7人に1人の子どもが貧困状態である。
貧困家庭の子どものほうが、学力が低い傾向。
そして相対的な貧困が多く、「子どもの貧困」は見えづらい。
ショーマは、黒木先生のフェニックスでの元・教え子だった。
そこへ黒木先生が登場し、自然に佐倉先生がいるのを見て驚く。
どうやらティアラのメッセージを勘違いし、佐倉を呼んでいいと言ったようだった。
デザートなどの寄付に桜花ゼミナールの橘や、碧山先生の名前を聞いて、動揺する佐倉。
“スターフィッシュ”のクリスマスパーティーが始まる。
子どもたちは、ニワトリの丸焼きや、丸いケーキのご馳走に目を輝かせる。
途中で抜けて帰ろうとする黒木に、佐倉が声をかけると、
「私の『本職』をなんだと思ってるんですか?」
と、いつもの冷たい表情で返した。
黒木先生の顔が全然違ったり、“スターフィッシュ”を頑なに隠すのは、
中受生とここの子どもたちでは思い入れが違うからではないか
と思う佐倉に、
「黒木先生が塾ではクールに振る舞う理由は、「目的」に大して「手段」が違うだけで、どちらの子どもに対しても思いは一緒のはず」
とショーマは言った。
十二月の連還
連還(れんかん)とは・・・環を連ねること。くさり。つぎわ。
佐倉はご馳走のおすそ分けを持って、黒木を追いかけた。
黒木は佐倉に、
「今日一日いっぱい『見ないフリ』を続けてください」
と“独り言”として話す。
クリスマスは受験生にとって、イベント的なものは必要ないと黒木は思っていた。
しかし、ある出来事からボランティアで勉強を見ていた生徒が、「クリスマスは架空の世界だ」と思って生きていたことに気づいて愕然とする。
その後、「教育」としてクリスマス会をするようになった。
親を悪者にしたくなくて自分の置かれた状況を人に話さないので、本当に困ってる子どもたちは、見つかりにくい。
“スターフィッシュ”の子の家庭も、桜花の子の家庭も同じく似通った部分がある。
「私の手が届く『星』を海に帰すのみ。」
と黒木は言った。
十二月の鉛筆
12月24日
桜花ゼミナール「冬季講習」の初日。
黒木は露骨にお金の話をし、いつも通り。
生徒たちが、次々と自習をしに塾に現れる。
武田 勇人は入塾履歴だけ残してサボろうと逃げたが、佐倉に捕まり連れ戻された。
冬季講習の内容は、各自が志望校の過去問をする実演演習のみ。
佐倉は、今川 理衣沙を冬季講習の間になんとかしたいと思っていた。
冬季講習の初日が終了し、佐倉が買い出しに行こうとエレベーターに乗ると、上の階の個別塾「ノビール」に通う大内 礼央にバッタリ出くわす。
礼央は先日、桜花で配った「五角」で「合格」というダジャレの合格鉛筆を持っていた。
黒木先生が渡したのだと、佐倉は察する。
「桜花に行かず、ノビールばかり行って怒ってないのか」
礼央は尋ねるが、
「大内さんがどこの場所で頑張ったとしても、いい受験ができるよう応援してるよ。」
と佐倉は答える。
黒木もまた、同じことを礼央に言っていた。
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