滋賀県で有名な信楽焼(しがらきやき)と言えば、たぬきの置物。
では、なぜ信楽焼と言えば「たぬき」なのか知っていますか?
関西の家には、なんか知らんけど玄関先にあるなあ
というイメージです。
「たぶん縁起物!?」と、よく知りませんでした。
先日、日本橋にある滋賀県のアンテナショップ「ここ滋賀」で信楽焼たぬき製作体験が行われ、小4息子と行ってきました。
そこでスタッフさんに教えてもらった、「信楽焼たぬき」の意味や由来が意外でビックリ!!
おもしろかったので、製作体験とともにレポします。
信楽焼とは
信楽焼(しがらきやき)は、滋賀県甲賀市信楽を中心に作られる陶器です。
甲賀市といえば、甲賀忍者が有名ですね!
京都の宇治市にも隣接していて、土山茶や朝宮茶などの近江茶も産地で有名です。
また、2019年に放送された NHK連続テレビ小説の『スカーレット』は、甲賀市信楽地域が舞台でした。
信楽焼は、日本六古窯(にほんろっこよう)のひとつです。
信楽焼は江戸時代は茶壺、明治は火鉢など、その時代の需要に合わせた陶器を生産。
ライフスタイルの変化があったり、海外から安い輸入物が入ってきたりするので、試行錯誤していました。
「信楽焼たぬき」の意外な由来と意味
「信楽焼たぬき」の、意外な由来と意味です。
「信楽焼たぬき」の由来は、昭和天皇
「信楽焼たぬき」は、明治期に陶芸家の藤原 銕造(ふじわら てつぞう)さんが作ったものが、最初と言われています。
昭和天皇陛下が1951年(昭和26年)11月に信楽を行幸された際、沿道に旗をもったたぬきの置物を並べてお出迎えしました。
信楽は人口が少なかったので、にぎやかに見せて天皇陛下を歓迎したかったそうです。
その「信楽焼たぬき」がずらりと並ぶ情景を、昭和天皇が大変お気に召され、
をさなき日 あつめしからに なつかしも 信楽焼の 狸をみれば
昭和天皇
と詠われた歌が新聞紙面にも取り上げられたのをきっかけに、信楽焼たぬきが全国的に大流行することになりました。
(参考:信楽焼)
信楽焼たぬきの歴史けっこう新しいんだね
「信楽焼たぬき」の意味は、後づけっぽい…
「信楽焼たぬき」が縁起物である意味は、どうやらちょっと後づけっぽいです。
でもいろいろあるので、ラッキーアイテムにぴったり!
他人より抜きん出る
「たぬき=他抜き=他を抜く」
という語呂合わせから「他人より抜きん出る」 という願いが込められています。
商売繁盛をはじめ、開運、出世、金運、招福などのご利益がある縁起物とされています。
夫婦円満
たぬきは夫婦愛が強く、パートナーと一生添い遂げることから「夫婦円満」を意味します。
たぬきは、一夫一婦制なんだね
八相縁起
1952年(昭和27年)に「たぬき八相縁起」を天台宗の僧侶、石田 豪澄(いしだ ごうちょう)さんが提唱しました。
天台宗といえは比叡山延暦寺で、滋賀県だ
信楽焼たぬきは「八相縁起(はっそうえんぎ)」という8つの縁起が込められています。
笠・目・顔・腹・通帳・徳利・金袋・尾にはそれぞれ意味があります。
- 【笠】
思いがけない災難から、身を守る。 - 【目】
周囲を見渡し、気を配る。正確な判断力。 - 【顔】
自分も周りも明るくする笑顔。 - 【腹】
冷静で大胆な決断力。 - 【通帳】
周りからの信頼を得る。 - 【徳利】
人徳が身につく。 - 【金袋】
金運に恵まれる。 - 【尾】
ことの終わりはしっかりと! 終わりよければ全てよし!
(出典:「ここ滋賀」内ポスター)
信楽焼たぬき製作体験
「ここ滋賀」は、東京メトロ・都営地下鉄 日本橋駅:B6、B8出口すぐ。
すごくキレイな、滋賀県のアンテナショップです。
信楽焼たぬきの製作体験は大人気イベントで、去年も申し込んだものの、応募者多数で落選。
実は今年も応募して落選したのですが、キャンセルがあり、運よく参加させていただきました!
信楽焼たぬき製作体験は、参加費500円。
できあがった作品はいったん信楽で焼き上げ、後日自宅へ発送してくれるという、送料だけで赤字になり申し訳ない感じ…。
信楽焼たぬき製作方法
「信楽焼たぬき」の製作方法です。
①板状の粘土を石膏型に押し当てて前後の形を製作
板状の粘土を、指でぐいぐいとたぬきの石膏型に押し当てて、前後の形を作ります。
②前後を型ごとつなぎ合わせる
余った粘土を紐状にしてのばし、前後を型ごとつなぎ合わせます。
③石膏型をはずす
石膏型をパカっとはずします。
④接合部分の仕上げ
はみ出た接合部分を削って、仕上げます。
⑤表面の加飾(模様づけ)
傘の部分を指で押して、模様をつけます。
⑥名前を彫り、完成
名前を彫って、完成です!
簡単なようで、力加減がけっこう難しかったです。
信楽焼窯元・信楽陶器工業協同組合理事長の、大原耕造様に指導していただきました。
手つきがさすがで、職人さんは全然違うと感じました。
焼き上がり届くの楽しみ〜♪
まとめ
信楽焼はその時代時代の需要あるものを作って、廉価な輸入品が入ってくる中、苦戦もしてきました。
そんな中、昭和天皇のおかげで「信楽焼たぬき」が大ヒットし、縁起物だと盛り上がって、名物に仕上がったんですね。
流行りにのって、縁起物にし、制作しまくるなんて近江商人らしい!
しかし、いろんな理由はありますが、温かみのある陶器で、ユーモラスで愛嬌ある表情のたぬきというのが、一番愛される理由かもしれませんね。
わが家も、作った「信楽焼たぬき」を家で飾って癒されながら、招福を祈ろうと思います!
ステキな体験をありがとうございました。
その後、焼き上がった「信楽焼たぬき」が送られてきました。
めちゃかわいくて感動♪ 大事にします!
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