『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』は2007年から再始動した『新劇場版』シリーズ完結編の映画です。
公開から4ヶ月経って、2021年7月12日に『シン・エヴァ』は興行収入100億円を突破しました。
すごい!
私はエヴァをほぼ知らない初心者。
しかしながら、7月21日まで劇場にて公開予定とのことで、やっぱりどうしても観たくなりました。
一方、夫は中学からエヴァをテレビでもずっと観ているファンです。
わからなかったら、あとで夫に聞けばいいや
と思い、夫と『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』を観に行くことにしました。
結論として、予備知識がほとんどないエヴァ素人でも観に行って、すごくよかったです!
浅いながらも、初心者が観た感想と考察です。
『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の特典
『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』の公開が、2021年7月21日までで、6月26日から最後の入場者プレゼントとして、A4サイズのキャストサイン入りミニポスターが特典でした。
- 「真希波・マリ・イラストリアス」バージョン
- 「渚カヲル」バージョン
どちらか。
私たちはマリバージョンでした。
全国で合計100万人にランダム配布だったようです。
これは第五弾!
今までも第一弾、第二弾…とそれぞれポストカードやら特典内容が違ったようです。
それをめあてに、何度も行くエヴァファンもいそうですね。
それと、「公式謹製36P冊子『EVA-EXTRA-EXTRA』」もいただきました。
「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」の前日譚が描かれたマンガ「EVANGELION:3.0(-120min.)」も入っていてすごく読み応えあり、よかったです。
絵がきれい〜!
うれしい〜♪
エヴァを私が今までなぜ観なかったのか
私はアラフォーなので、リアルなエヴァンゲリオン世代のはずです。
なぜ今までエヴァを観なかったのでしょうか。
私の住んでた地域ではエヴァをテレビでやってなかった
『新世紀エヴァンゲリオン』は1995年からテレビ放映されていましたが、テレビ東京系列。
私は地方の田舎だったため、『新世紀エヴァンゲリオン』を当時、テレビで観ることができませんでした…。
そして時は経ち、エヴァのすごさは噂で知っていたものの、もう乗り遅れているし、ファンが熱心、難解そうだとそのまま。
「アメトーーク!」のエヴァンゲリオン芸人で軽く内容を知る
『新世紀エヴァンゲリオン』の内容を軽く知る機会があったのは、2008年4月に放映された、テレビ朝日「アメトーーク!」のエヴァンゲリオン芸人。
アニメ『新世紀エヴァンゲリオン』好きの芸能人が集まり、名シーン・名台詞などを教えてくれる回です。
そこで登場人物
- 碇シンジ
- 綾波レイ
- アスカ
- 葛城 ミサト
などをようやく知りました。
一番印象に残っていたのが、ガチファンが伝わるオリラジあっちゃん。
オリラジあっちゃんは私と同世代!
主人公の少年シンジくんは14歳だし、私もきっと当時リアルタイムでエヴァをテレビを観てたら、ビシバシきたものがあっただろうなあと残念に思いました。
その後、映画が作られる度、話題になりましたが、今さら感があって熱量が追いつかず、
どうせ観てもわからないよな〜
とあきらめモード。
そんな数年前に見た「アメトーーク!」のエヴァンゲリオン芸人の知識で、映画最終作に突入です!
エヴァ初心者が最終作『シン・エヴァンゲリオン劇場版』を観た3つの感想
エヴァ初心者にもやさしく、映画冒頭にこれまでの振り返りがざっとありました。
これはありがたかったです!
「なんとなーく」ですが、わかりました。
その「なんとなーく」の記憶も、ちょうど空白の14年間のおぼろげな記憶と重なり、感情移入することができました。
エヴァ初心者が最終作『シン・エヴァンゲリオン劇場版』を観た主な3つの感想です。
※以下ネタバレあるので、ご注意ください
音楽や映像がすごく、庵野秀明 監督のポートフォリオのよう
劇中に出てくる音楽が壮大であったり、ポップであったり、すごく惹きつけられました。
特に最後の宇多田ヒカルさんの『One Last Kiss』はしびれました。
これを映画館で聞くためだけに来てもよかった、と思えるほど!
『シン・エヴァンゲリオン劇場版』つながりで、『One Last Kiss』のミュージックビデオは庵野秀明さんが監督されたようです。
映像も、CGやバトルシーンなど、最先端のあらゆるアニメ技術がつめられているように感じ、迫力がとてつもなかったです。
おそらく本物のエヴァの絵コンテや、今までの
- 『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』
- 『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』
- 『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』
の投影もありました。
劇中に出てきた絵本の作者が、庵野秀明 監督の妻、安野モヨコさんであったり、映画『シン・ゴジラ』っぽいシーンがあったり、『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』は庵野秀明 監督のポートフォリオのように感じました。
実際、シンジくんは庵野秀明 監督の自身を投影しているともみれる。
奥さんの安野モヨコさんは救いの女神らしい
シンジくんの成長物語ってことなのかな
映画はじめのころ碇シンジくんはあんなに精神的に弱かったのに、途中で急にびっくりするくらい強くなりました。
偉大な父と対決し、殺そうとするというのは、『スター・ウォーズ』を彷彿させます。
また記憶に新しい映画『ドラえもん のび太の宝島』も重なる部分がありました。
お父さんが科学者である妻の死後、研究に没頭し、子どもたちにも手をあげるほどに人が変わって悪人のリーダーになったのです。
シェイクスピアの『ハムレット』しかり。
父と息子の対立というのは、世界やアニメでも主要な題材のようですね。
父を乗り越える覚悟をもって、呪縛から解き放たれ、大人になるのでしょうか。
シンジくんの成長物語ってことなのかなと感じました。
「息子が父親にしてやれるのは、肩をたたくか殺してやることだけよ」
というミサトさんの言葉が心に残りました。
急に大人びてみえるのは、思春期の男の子の成長ってそんなものじゃないの
希望につながるハッピーエンドでよかった
みんな誰もが悩みや孤独、問題を抱えています。
愛を求め、愛で歪み、愛に救われる。
『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』ではひたすら「愛」が描かれているように感じました。
AIが発達していく現代で、機械と人間の融合は大きなテーマです。
新型コロナウイルスと世界の共存もまた、今の世界の大きなテーマ。
実際、4月には新型コロナウイルス感染症の流行のため、『シン・エヴァ』の公開延期もされましたね。
『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』では犠牲になる人もいましたが、最終的には救われる結末でした。
不安で混沌とした世の中で、希望につながるラストとなったのは、カタルシスに感じました。
よかったです!
わからないところはいっぱいでもオッケー
エヴァ初心者にとっては、『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』でわからないところがいっぱい。
エヴァはわからんもんやで
エヴァンゲリオンは基本、わからなくていいものだそうです。
登場人物がわからない
登場人物のマリ、カヲル、加持リョウジ、冬月コウゾウ、サクラなどなど、初心者には「誰?」っていう人たちばかりでした。
テレビ版から観てる夫も、知らない新キャラがけっこういるらしく、まあいいやって感じです。
人間と人間じゃない違いもわからなかったです。
特にキーパーソンであった真希波・マリ・イラストリアスさんは、初見では魅力的な女性と感じませんでした。
語尾に「にゃー」をつけたり、アスカを「姫」と呼んだり、シンジを「ワンコくん」と呼んだり、なんかオタクっぽい違和感。
マリさんは冬月コウゾウさんとも知り合いっぽいし、ようわからん感じでした。
マリさんは実はシンジくんの親である、碇ゲンドウとユイの大学の同級生。
突然現れたのは、「マグダラのマリア」がモチーフっぽい
ふーん。庵野監督奥さんの安野モヨコさんがマリさんかもね
お父さんのゲンドウさんは、なんで人間じゃなくなって悪くなったの?
シンジくんのお父さんの碇ゲンドウさんが、とにかく怖かったです。
「えっ人間じゃないの?」
「妻ユイにはすごく愛情があるのに、なんでシンジくんにはこんな冷たいの?」
「なんでこんな悪者になったの?」
とよくわかりませんでしたが、奥さんの喪失のショックから、おかしくなっちゃったのかなと思いました。
神とエヴァと使徒の違いも、途中でよくわからなくなりましたが、表裏一体の同じようなものでしょうか。
誰が悪かわからない
誰と誰が戦っているのかよくわからなかったです。
「使徒VSエヴァだったはずなのに、グループが2つに分かれて対立し、人間と人間、すなわちエヴァVSエヴァになってる?」
「あれっでも使徒も戦ってる?」
「誰が悪もの?」
でも戦う理由は、生存のためなのかなとと思って納得しました。
言葉がわからない
ATフィールドや、ネルフ、リリスなど、エヴァ専門用語がさっぱりわかりませんでした。
「使徒」などからして、キリスト教がモチーフであるようで、聖歌や宗教用語も出てきます。
東大生が選ぶ勉強になる「アニメ」ランキングで『新世紀エヴァンゲリオン』が選ばれたときにも、
聖書関連の用語が使われており、教養がつく
との評価でしたね。
しかし、言葉がわからなくても、厳かな世界観は伝わります!
また後で調べてみたくもなりました。
難しそうな槍もいろいろ意味あるんだろうなーって思いながら、まあ武器ってことでいいやと思いました。
「ATフィールド」は心の壁で、架空のバリアのことだよ
まとめ
予備知識がほとんどないまま、最終作『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』を観ましたが、エヴァ初心者でもすごく楽しめました。
エヴァの世界観をドバーッと浴び、わからないのもわからないまま素直に受け入れることができました。
わからないところ満載でも、なぜ胸を打つのかを考えたとき、「人間の心」が根底に描かれているからと思います。
また興味が出てきたので、昔の作品を観たり、意味を調べたりしたくなりますね。
みんなで考察する楽しみが、エヴァの魅力だと感じます。
今回、夫と『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』を観に行って、その後いろいろ感想など話せたことがよかったです。
コミュニケーションを作れる映画はすごい!
エヴァファンの夫も、中学時から観ていたエヴァがついに完結になり、感慨深いものがあったそうです。
そしてまた火がついたようす…。「漫画全巻買いたい」というのを止めてます。
今、息子は10歳。
14歳の碇シンジくんと同じ歳になったら、いろんな葛藤やあやうい多感期になるのかな、と思いをはせてしまいます。
心配ながらも、健やかに大人になっておくれ〜!
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