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二月の勝者 9巻のあらすじネタバレ

漫画 二月の勝者
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全然知らない中学受験について知ろうと思い、読んだ漫画。すごくよかったです。

『二月の勝者』9巻のあらすじとネタバレを書いていきます。受験情報つきです♪

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十月の責務

責務とは・・・責任と義務。また、果たさなければならない務め。

黒木は、順のお母さんに
「順さんが受験をやめなくていい方法があります!」
と言った。

しかし、お母さんは、
「離婚することになるかもしれないので、経済的に受験も私立進学も続けられないです…!」
と言う。

1時間前、島津家にて

1時間前、島津家にての話。

順のお父さんがお母さんを突き飛ばし、壁にぶつかってしまう。
それを見た順は、我慢できなくなり、お父さんを突き飛ばしてしまった。

お父さんは
「親に手を上げたな!?」
と激昂。
順につかみかかる。

そこへ塾からの電話がかかってきて、お母さんは誰かに助けを求めるために電話をとったのだった。

ダイニングテーブルをひっくり返す順。
お父さんは慌てて受話器を切り、
「謝らなければ、暴力事件として警察に通報するぞ!」
と脅し、ほんとに警察に電話してしまう。

それを見た順のお母さんは、目が覚めたように順の手をとって、家を出たのだった。

島津順のお母さんの面談

家を出た順のお母さんは、しばらくは自分の実家に身を寄せ、復職しようと思っていることを黒木に話した。

黒木は、
「順くんがどんな人間になってほしいのか」
お母さんに尋ねる。
「元気でいれば」と答えるお母さんに、さらに、
「『既に開成に挑んでいる順さん』の気持ちはどうするんですか?」
状況が変わったとはいえ、今まで順に夢を見させてたのにと責める。

「我慢も無理もする必要はなく、正直、離婚は賢明だと思う」
と伝える黒木に、桂先生は
「今のは完全にやりすぎです!」
と制止。

黒木は桂先生に何かお願いし、桂先生はいったん部屋から出ていき、頼まれた資料を揃えて戻ってきた。

黒木は、
「順さんが受験をやめなくていい方法、3パターンほどプレゼンさせてください!」
とお母さんに言う。

十月の介入

順を待っている間だけでいいということで、しぶしぶながらお母さんは話を聞くことに。

受験をやめないためのプラン1

奨学金制度のある学校のリストである。

順の実力なら、今の実力よりランクを下げると確実に特待生になれる。
6年間ずっと特待生と確約されてるわけではないが、順ならお母さんのためにきっと頑張ってくれるし、その努力が大学受験にも生かされる可能性が高い
と言う。

受験をやめないためのプラン2

国公立の中学の受験である。

都内には、国立大学付属中学が8校
東京都立中高一貫校が10校
区立1校

都内に、国公立の中学が合わせて19校ある。

国公立の中学を受験(受検)できるのは、たった1校のみで、試験は2月3日しか行われない。
「適性検査」という4教科の複合的なテストで、作文のようなものもあり、私立受験と違うが、大学受験の新テストやSPI試験にも似ている。

適性検査は偏差値通りの結果のでない、特殊な選抜方法であり、対策が必要になる。

プランを聞いて、順のお母さんの反応

「やめる自由は親にあるはずなのに、説得するのは『順の気持ちを第一に思って』だからと信じていいんですよね?」
と尋ねる順のお母さんに、黒木は決意し、
「私は自分の生徒を潰した過去があります。」
と告白することに。

生徒を救いたい一心からであったが、本人の意志ではない進路に進ませて、その子自信を壊してしまったのだ。
二度と生徒をあんな目に遭わせないと誓って、こんな提案をと言った。

お母さんは即決できず、順と話し合って塾を休み、ゆっくり考えることにした。

順とお母さんが帰った後

順とお母さんは、おばあちゃん家に帰って行った。

桂先生は、
「家庭への介入じゃないですか…!」
と言い、黒木はその通りですと弱い面を見せた。

結局、桂先生に用意してもらった「プラン3」は使わなかった。

順のお母さんの実家にて

急に順とお母さんが実家に押しかけることになったが、おばあちゃんは喜んでいる様子。
順はいつもの習慣で勉強をしようとし、お母さんに
「今日はもうやらなくていいのよ。」
と言われる。

翌朝、久しぶりにぐっすり寝た順は、いつものように新聞を読もうとして親戚に褒められる。
おばあちゃんは笑いながら、
「順は自慢の孫だもの。」
と言った。

順は学校からあわてて帰ってきたが、塾に行かなくていいことに気づき、ゆっくりテレビを観て過ごした。

十月の発破

発破(はっぱ)とは・・・爆薬を仕掛けて岩石などを爆破すること。また、その爆薬。

桜花の生徒たちも、島津 順が休んでいることに気づいていた。

順のおばあちゃんの家にて

順は、おばあちゃん家でゆっくり過ごしている。

昨日、お母さんは順に

  • しばらくおばあちゃん家にいるけれど、ゆくゆくはお父さんとは離れて二人で暮らすこと
  • 特待生受験や国公立の学校もあること
  • 受験をやめる選択肢もあること

など色々伝えた。

順のお母さんは、薬剤師の資格を持っているので就職も決まりそうである。

順は、おばあちゃんのお手伝いをしながら、
「おばあちゃんは昨日『自慢の孫』って言ったけど、それって僕が『いい学校に受かりそうだから?』」
と尋ねる。

おばあちゃんは、優しく微笑みながら、
「そんなの決まってるじゃない。
確かに順は頭のいい子だもの。
でも、それは『おばあちゃんが好きな順』のうちの一部であり、それがあってもなくても私が好きな順に変わりはないのよ。
ここでのんびりしながら考えて、順が自分で決めたことならどんなことになっても、おばあちゃん順のこと応援するからね。」
と答えた。

裏で、それを聞いていた順のお母さんは泣いていた。

黒木の迷い

黒木は、桜花の白柳社長に紹介してもらった塾にお願いし、都立中の対策講座のスカラシップ(小学生)枠で順が入るなら入れることになった。
お互い合格数が実績としてカウントできるので、WIN WINというわけである。

黒木は、白柳社長と電話で
「やむを得ずしてしまった介入も果たして正解なのか、迷ってます。」
と胸の内を語る。

社長は、
その本人が決めたことが一番であり、子供の人生はその子のもんだ。
ブレてんじゃねえよ、しっかりしろよ!」
と激励。

黒木が桜花ゼミナールにいると、ガラッと戸の開く音がして、現れたのは順だった。

十月の越権

越権(えっけん)とは・・・自分に属する権限をこえて、ことをなすこと。

順のお母さんは仕事の面接のため、美容院に行っていた。
そこで順が塾に向かったことを知る。

順は、黒木に
「受験やめます。」
と伝えた。
私立中学はお金がかかるので、ママのために自分で決めた、と言う。

「お金が極力かからない進学の提案を聞いたか」
黒木は尋ねるが、
「聞いたけど、ピンとこなかった」
と順は言った。

さらに、
「俺は吉祥寺校のトップだぜ?
トップ目指し続けないくらいならやめるよ!」
と言い切った。

受験やめると言いながら、「開成」の過去問が解けたのを嬉しそうに黒木に見せる。
黒木は花マルをつけ、喜ぶ順。

「ママを守りたいからやめるって決めた気持ちはうそじゃないけれど、こんな楽しい問題出す学校、チャレンジしたかったなあ。」
と、順は涙をこぼしながら言った。

そのとき、順のお母さんが塾に駆けつけた。

受験をやめないためのプラン3

黒木は最後にと、受験をやめないための「プラン3」を島津親子に話す。

開成中学にも、奨学金制度があることである。

2020年度から新設された制度で、成績が関係なく、「年間所得が218万円以下、または給与収入400万円以下の世帯の子弟」が選考基準である。
それはすなわち、「離婚」ありきの提案であった。

十月の本心

黒木は、頭の傷がズキンと痛むようである。

「受験をやめるのは経済的な理由というより、そもそも父親が、無理矢理目指させてただけ」
と順のお母さんは言った。

「無理矢理…そうでしたか?」
と黒木は順に問う。
お母さんは、今日、順が前に解けなかった開成の過去問を解いて黒木に見せたことを知った。

「もしかして、開成受験…したいの?」
とお母さんが聞くと、
「開成受験したい…! 自分の力を試したい!」
と順はハッキリ答えた。

お母さんは、
「先生を信頼してこの子を預けます。
よろしくお願いします。」
と黒木に託すことに決めた。

離婚に到る前になんとかできなかったのか、と悩む佐倉に桂先生は、
「私達が子ども達に関われるのは長くても3年で、2月の受験本番を終えるまでであり、プライバシーに関わるのはタブーだ。」
と話す。

それを耳にした黒木は、
「耳の痛い話ですね。」
と、先日の生徒を潰した話の続きをしたいと言う。

十月の告白

2年前フェニックス時代、黒木は、家庭の事情に介入したから生徒を潰したと言う。
「なぜそんな前科があるのに、島津家にも介入したのか?」
と、桂先生は黒木を責めた。

生徒が塾を辞めてしまえば、もう会うことはなくなる。
深く関わっているつもりでいても、子ども達の人生のうちのほんの一瞬なのだ。

黒木の「罪」の話の続き

黒木は「罪」の話の続きをし始める。

フェニックス生徒の一人に、つねられたような痣が数カ所あるのに気づいてしまった黒木は、彼を注意していた。
しかし、ある日、額に絆創膏がある彼と、個人的に外で会ってしまう。
助けたい一心で何度か教えたが、母親に個人指導がバレてしまい、あろうことか正式に家庭教師を頼まれることに。

結果、虐待から守るために、親の望む志望校に受かるという目的は果たせた。

十月の傷痕

志望校に合格した彼とはもう会う機会がなくなったが、彼は学校に馴染めず、地元の公立中に転入することになっていた。
母親は世間体を気にして、彼を義母にあずけた。

黒木は彼からのサインを見逃してしまい、彼はついに家庭内で暴れてしまう。
母親からヘルプの電話がかかってきて、黒木が家に駆けつけると、暴れた後で血を流す彼がいた。
黒木も揉み合ったときに、額に怪我をしてしまった。

十月の矜持

矜持(きょうじ)とは・・・自分の能力を優れたものとして誇る気持ち。自負。プライド。

彼が暴れた時、母親は黒木先生に丸投げして、自分はホテルに避難していた。
彼は祖母の家に移ったが、結局転校先でも馴染めず引きこもりに。
親が心配して様子を見に来るたび、余計に自分の殻にこもる。
勉強面では、黒木が家に通って彼をフォローしていた。

塾講師たちは本当の意味で「当事者」ではないから、わからない。
黒木は後に、彼の母の懺悔も聞いた。
塾講師たちは受験後の生徒の人生に責任がないから、軽率に非難すべきではないが、毎年なぜこんなケースが出てくるのかわからない。

だから、黒木はまず「家庭」を知ろうと、塾講師の他に、家庭教師もすることに。
家庭に入るが介入はせず、教えながら家庭のパターンを観察した。

黒木は「想像力」と「共感力」の無さという自分の弱点を知る。
想像力がないなら、経験を積み重ねるしかない。

黒木は、この仕事の本質はなんなのかを、「学び」とはなんなのかを知るためのひとつとして「桜花」へ来たのだった。

十月の気概

気概(きがい)とは・・・困難にくじけない強い意志・気性。

黒木の告白を聞いてもなお、桂先生は
「やはり今回の島津家介入は、やはりやりすぎだと思う」
と言い、黒木も同意。
衝動的だったとのことだった。

もうじき11月で、本番まで3ヶ月。
ここから親のメンタルが危険域に入る
黒木だけでは見落としてしまう可能性があるため、力が必要だからと今回、桂先生と佐倉先生に告白したのだった。

11月 6年生保護者会

11月
6年生・保護者会があり、直前期の具体的な話をする。

過去問は、書店で購入した本に直接書き込むことなく、本物のテスト用紙に近い状態に拡大コピーして使うといい。

生徒によって、過去問をしていいタイミングが違う。
早くに過去問に取りかかると、初見の感じがつかめなくなる。
親は志望校の過去問に目を通して、試験問題を通してどんな子どもを欲しがっているのか、知っておいてほしい。
そして、黒木は
「親御さんのメンタルに、3回のクライシス(危機)が来る」
と言った。

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